0014 大田 ユウガ (20/60)

覚醒剤か、何かか?


「味の素?」


「ふふ 違う」


僕の冗談に彼女は少し笑い、そのまま続ける。


「チオペンタールナトリウムの凍結乾燥品」


チオペンタール?また訳の分からない薬っぽい名前が出てきたな。


「別名ラボナール」


ラボナール?


ラボナール。ラボナール。


それは聞いた事がある。


ラボナール。そうだ。


「俗に言う自白剤」


腕に注射を打たれたのは、なんとなく覚えている。


「すでにあなたに使った」


「だが僕は負けていない」


現に彼女の言う事を聞いていない。


それに。


「自白剤の効果はたかが知れている」


ラボナールも自白剤の一種だが、ドラマや映画みたいに、何でもかんでもペラペラ話す様な効果は無い。


あくまで高揚感を与え、気分良く酒に酔ってペラペラ自慢話をさせる様なレベルだ。


通常は心理的な質問や、俗に言うウソ発見器の様な機械を併用するのが効果的なはず。


だが奴隷のリスクを知っている僕に"特定の勝負を受けさせる"などの複雑な命令はそう簡単にできないと思う。