0014 大田 ユウガ (19/60)
香水臭い目隠しをされ、手足はイスにくくりつけられている。
口の中は血の味がするけど、SCMは着いたまま。
殴られたのも手伝って、頭がガンガン痛むし、気を抜いたらまた胃液が出てきそうだ。
「ひどい気分だね」
その言葉と同時に、顔に被された布が鼻の辺りまで上げられる。
そして唇に冷たいガラスの様な物が当たった。
「冷たいブラックコーヒーよ 毒やドラッグは入ってない」
「ふっ」
毒やドラッグか。
だがコーヒーは助かる。
僕は素直に一口、コーヒーを飲んだ。
「一応言うけど ここで大声出したり暴れたりしても無駄よ」
口の中に覚えのある苦くて冷たいコーヒーの味が広がる。
今さら暴れようとは思わないが。
口の中が湿ったと同時に、僕は思いを口にした。
「勝負は受けない」
少しの間の後、濡れた声が聞こえる。
「その必要は無いわ」
次に、彼女は僕の手にビニール袋を握らせた。
その時、僕に触れた指は冷たくて細い、女の指だった。
「ほら これ何か分かる?」
なんだ?
手触りはビニール袋。
中には粉状の何かが入っている。