0014 大田 ユウガ (22/60)
やはり詳しいな。
20代真ん中くらいの女である事から、職業は医者よりも薬剤師か看護師の線が強いと感じた。
「人をさらいたいなら もっと現実的で簡単に手に入って 使えるものがあるのにね」
簡単に使えるもの?
「ラボナールは打っていないけど 違うものは打った」
多分電車の中でも同じ物を打たれた。
「何を打った」
「アルコール」
アルコールか。たしかに泥酔した時と症状が似ていた。
つうか、んなもんケツから筋肉注射したのか。
「数百倍に薄めたけど1発で酔えたでしょ?ちゃんとあなたの体重を調べて計算したんだから」
たしか血中でアルコールが0.4%を越えると急性アルコール中毒になる。
この女、そのギリギリを僕に注入したんだ。
「目的は記憶が錯乱してくれればいい」
確かにほとんど覚えていない。
「勝負を受ける必要はないわ」
さっきも言っていた。
「勝負は始まっているもの」
「どういう事だ」
「問題です」
「あなたと私は どんな勝負を始めたでしょうか?」
は?
「飛んだ記憶の中で あなたと私は勝負を始めました」