0014 大田 ユウガ (17/60)

「彼女は 私の奴隷」


メガネの女は、僕の後ろの女性を説明した。


後ろの女はフェイクか。



「私が本物の"頭のおかしい人"です」



この黒髪と白肌のメガネの女が頭のおかしい女。


今まで話していた背後の女は"頭のおかしい人"じゃなかった。


俺の目の前に立っていた、黒髪のメガネのこの女が"頭のおかしい人"だったんだ。


その後、数分で次の駅に着いたはずだが、僕にとっては途方も無く長い時間に感じた。


僕はそのまま駅から運ばれ、ロータリーに停められた車に乗せられる。


車にはさらに1人、女の奴隷らしき男が運転していた。


僕以外に4人を乗せた車は、早朝の街を走る。


この辺りはまだ都心にまで至らない、東京の西周辺。


土地勘は多少ある。


僕は左右に座る2人の先から見える、街のロケーションを必死で覚えようとしていた。


「あ 一応これ付けなきゃ」


メガネの女はそう言って僕に布の袋を被せて、視界を塞いできた。


おまけに手も縛られる。


もうどうにでもしてくれって豚の気分だ。


僕はそこで一度意識を失う。