0014 大田 ユウガ (12/60)

①は微妙だね。

女性を殴ったら周りの一般人の反感と抑止を買うだろうし、身動きが取れないこの中じゃ攻撃力も期待できない。


②はこの状況だと難しい上に、手すりで上に登る際にケツを射される可能性も高い。

さらに金網を見てみると、ちょいちょい荷物も置いてあって邪魔になる。


③が1番有効な気がするが、被害が甚大以上の未知数だ。

満員電車内で火災なんて聞いた事が無い。

下手すりゃ自身も焼けちまいそうだし、警察に捕まった場合の罪がべらぼうに重いだろう。

さすがの僕も、実行はネガティブになるね。


現実的なのは④か⑤か。


まず④の"交渉"を試そう。


僕は首を右下に向け、自分の肩を経由して後ろの女に話しかけてみた。


「僕を奴隷にしないからこその リュウオウを倒すプランがある」


落ち着いた所で話がしたい、と続けるはずだった。


「交渉の余地はありません」


ところが瞬殺で却下だよ。


彼女の中には、既に僕を奴隷にするプランが出来ているんだろう。


僕は鼻からため息をした。


「んふぅ」


興奮していたせいか、まだドキドキするな。


密着した満員電車も手伝ってか、顔が熱い。