0013 品川 ゼロ (80/103)
「は」
「ハハハ!やった!やった!」
僕は思わず声を出して笑い、手の平を広げます。
気付きさえしなかったけど、手汗がすごいことになっていました。
そして、その正解は無性に嬉しいものでした。
「ドラゴンボール 好きなのか?」
落ち着いたままの中央さんは、僕にそう聞いてきました。
「あ はい!すごく好きで」
興奮して、そう答えましたが、直後に少し恥ずかしくなりました。
中央さんみたいな大人の前で、思わず長々とマンガの話を熱く語るところでした。
子供じみたことを言ったなと、なんだか一瞬後悔したんです。
「そうか」
けど、中央さんは相変わらず微笑んだまま続けます。
「俺も ドラゴンボールは大好きだ」
「へええ そうなんですか」
僕はあまり表には出しませんでしたが、中央さんもドラゴンボールが好きだと聞くと、なんだかとても嬉しくなりました。
奴隷にするかされるかという、訳の分からない勝負の上、まだ会ったばかりの大人の人との勝負の最中です。
けど僕にとって中央さんは実はとても絡みやすい大人の人だと、好感を持てるキッカケでした。