0013 品川 ゼロ (74/103)

危機感は感じないものの、さっきからあの医者のおじさんが言っていた『ひゅうほう』という言葉が頭から



あ。



ひゅうほう?



その言葉を思い出した瞬間、僕は中央さんを見ました。


中央さんは携帯を操作して、次の問題を出そうとしています。



中央。ちゅうおう。



ひゅうほう。ちゅうおう。



もしかして、あのおじさんが言っていたひゅうほうって、中央さんのことじゃないのか?



仇を討ってくれ 中央 中央。



あの医者のおじさんは、中央さんに負けたんじゃ。


そうだ、そう考えたらおじさんの言葉に納得がいく。


中央さんがどこに住んでいるかは分からないけど、車のナンバープレートはこの辺りのものだった。


恐らく行動範囲は近い。


中央さんが、少年の父親の仇だ。


大発見をした気分で、一瞬少年を見ますが、中央さんの目の前で「この人がパパの仇だよ!」なんて言える空気じゃありません。


けどたった数十秒の間で、僕は思考が行き着いた答えに無駄に焦っていました。


単なる興味や、好奇心なのかもしれません。


「あの 」


とうとう僕は、思わず中央さんに話しかけていました。


「ん?」


中央さんは携帯を操作していた指を止め、僕を見ます。



「中央さんは最近 SCMを使って勝負をしました?」