0013 品川 ゼロ (72/103)

少年を見ると、少年は笑ってもいません。


僕が正解しても、少年は喜んでいる様子をまったく見せないのです。


今の僕の正解数は2/3。

中央さんは2/2。


たしかに安心できる状況ではありませんが、絶望的な状況でもありません。


少年は鼻をクイクイと動かしながら、ただ中央さんを見ています。


この子は、僕が勝ってもうれしくないのか?


僕が不信感を感じたまま少年を見ていると、中央さんが声をかけてきました。


「ほら ゼロくんの番だ」


「あ はい すみません」


僕は少年から携帯に視線を移し、次に中央さんに出題する問題を読み上げます。



「問題:マカロニを最初に作った国は?」



マカロニを最初に作った国?



イタリアでしょ。



「ほお」



中央さんは、ニヤリと笑って興味深いものを見た時のような声を出しました。



え?イタリアでしょ?



数秒間黙った後、中央さんは僕に目を合わせて独り言みたいにブツブツ話し始めました。



「たしかマカロニをイタリアに持ち帰ったのはマルコ・ポーロだ」



え?イタリアじゃないの?