0013 品川 ゼロ (71/103)
もう1つは宮城だ。
小さい頃から、家のトイレに日本地図が貼ってありました。
一緒に住んでいた他のみんなは気にもしてなかったけど、僕はそれを見るのが好きだったんです。
少年を見てみても、答えを言う様子はありません。
「み」
僕が何か言おうとすると、少年と中央さんが僕に注目しました。
「宮城県です」
僕の答えの後に、一瞬の沈黙が生まれました。
一瞬の間の後、中央さんは携帯のボタンを押します。
直後に「正解だ」とつぶやきました。
「地理が得意なのか?」
中央さんは上目遣いで、僕に聞いてきました。
「あ いや 地理は得意じゃないんですけど 日本地図を見るのが好きで 都道府県の位置はよく知ってるだけなんです」
「ほお なかなかやるな」
中央さんはそう言ってニヤリと笑いました。
僕は問題の正解にホッとしていましたが、さらに中央さんに認めてもらえたことに、なんだか嬉しくなりました。
けど、それと同時に視界の外れの少年に違和感を感じます。