0013 品川 ゼロ (57/103)
「SCMは難しいルールなのに弟くんはよく知ってるな」
男は少年にそう言うと、突然車のウィンドウを閉めてきました。
そしてすぐに、ドアを開け、車から降りてきます。
「車の中で話したいとこだが 君たちみたいな子供を車に乗せるのは ハタから見たら人さらいみたいだからな」
メガネの男は独り言みたいにそう言うと、持っていた車のキーロックを押します。
鳥の鳴き声みたいな機械音と共に、車にロックがかかりました。
「俺は中央だ」
車から出てきた男はそう言いました。
ちゅうおう?
ああ名前か。
僕は身長175cmありますが、中央と名乗ったメガネの男は僕より少し高く感じます。太ってはいませんが、体型も僕より大きいです。
多分180cmくらいかな。
中央さんは名乗った後に、さらに聞いてきました。
「君たちは?」
「えっと 品川です」
「品川なにくん?」
中央さんは、さらにそう聞いてきました。
下の名前も言えということでしょう。
「漢数字の零と書いてゼロです」
僕の名前を聞いた中央さんは、驚いた顔を作って言います。
「ぜろ?ずいぶんカッコいい名前だな 本名か?」
よく言われます。名付け親は施設のおじさんですが、由来は聞いたことありません。
「一応 本名です」