0013 品川 ゼロ (55/103)
あれ?今「勝負するよ」って。
僕もメガネの男も、驚いて少年を見ます。
「SCMの勝負 するよ」
どう見ても小学校高学年くらいの少年が、高級そうな車に乗ったおじさんに言う言葉ではありません。
何考えてるんだこの子は。怖くないのか?
「えっと君がSCMを着けてるのかい?」
男も対応に困ったように、少年に聞いています。
少年は鼻をクイクイと動かし、長いまつ毛の先の男を見たまま「ううん」と言って、僕を指差しました。
男は少年が指差す僕を見ます。
「そりゃあ お兄ちゃんだよな」
SCMは僕が着けています。
男は手の甲でメガネの位置を直すと、僕に向かって続けます。
「じゃあ勝負は俺が決めるけど いいのか?」
「え?え?」
話の展開が早すぎる。
それとも、こういうのが当たり前なのか?
男の言葉で、僕はさらにパニックになりました。
勝負は俺が決める?どういうことだ?
僕が理解していない様子を察したのか、男は説明しだしました。
「SCMの勝負の内容は 勝負を申し込まれた方にしか決められない まさか知らないのか?」
勝負は申し込まれた方にしか決められない?
そんなの知りません。