0013 品川 ゼロ (50/103)

まるで殺人犯を探すような感覚です。


けどそれと共に、急激に面倒臭い。怖い。帰りたい。1人になりたい。


横から激しく降る雨みたいに、そんな感情が僕を襲っていました。


アラームはたしか30M以内で鳴ると、少年は言っていました。


30M。


僕と少年の半径30Mにいるのは、さっきの子供連れの女性や



『 キュイ──ン 』



「あ」



横断歩道を渡り切る手前で、またアラームが鳴りました。



「また鳴った」



僕が前を歩く少年にそう言うと、少年が駅がある前の方を見たまま僕に言います。



「2回目は15M」



僕は相変わらず周りをキョロキョロ見ていましたが、15M以内に人はいません。



横断歩道を一緒に渡った子連れの女性も、すでに先を歩いて僕達から離れています。



けど、すぐに気付きました。



ロータリーに、1台の車が止まっています。



そうだ。



人ばかり意識していたけど、車には人が乗っているんだ。



当たり前のことに、気付いていませんでした。