0013 品川 ゼロ (48/103)

なんか理不尽だとは思いましたが、少年はさらに説明書を開いてSCMを取り着ける行程を記した、イラストを見せてきます。


仕方なく、僕は少年が掲げるイラストを見ながら、SCMを口に入れました。


僕は歩道のど真ん中で、何やってんだろう。


「反応は?」


イラスト通りに歯の裏へSCMを着けると、少年がアラームがあったかを聞いてきました。


ちゃんと着けたはずですが、歯茎に針が食い込む様な痛み以外何も感じません。


「何も」


僕の返事を聞くと、少年は携帯片手にまた歩き始めました。


僕も黙って着いて行きます。


木が並ぶ道路沿いの歩道を、駅の方面まで歩くと次第に人とすれ違うようになりました。


時間が昼間だからか、子供連れの主婦や、老人が多くいます。


車道も、常に車が行き交う程度です。


SCMを着けた人間が、近くにいるとは言っていましたが本当に



『 キュイ──ン 』



「わ」



横断歩道に差し掛かる手前、道の先に駅が見えて来た辺りで口の裏に、突然高い振動音を感じました。