0013 品川 ゼロ (46/103)
「でも その黄色○がお父さんの仇かは分からないんじゃ 」
僕の心配に、少年は大きな黒い瞳で僕を見ます。
「だから手当たり次第に挑むんだよ」
子犬みたいな顔して、無謀なことを言います。
むしろ頭がいいはずなのに、こんなに無計画というか行き当たりばったりで大丈夫なのかな。
「えっと でもどんな奴か分からない訳だし」
「どんな勝負でも 僕がうまく持っていくから」
自信はあるけど、説得力がありません。
勝負をするって、何の勝負をするんだ?
勝負は少年がやるのか?僕がやるのかな?
むしろ負けたら奴隷になって。
思考の先に、少年の父親の姿が映りました。
よだれと涙と鼻水を垂らし、目をギョロギョロと動かして、汚物を漏らした異常で惨めな姿です。
負けたら、ああなる。
僕の頭の中でいくつもの、ネガティブな考えが浮かびます。
「やっぱり 日を改めて」
「日を改める意味は?」
日を改める意味?
「ほら 僕はまだSCMのこと知らないし」
「それは歩きながら教える」
僕の提案は瞬殺されました。
「けど今日は」
特に予定とかは無いけど。
「あのさ 今やらずに いつやるの?」
「う」
なんか、もっともらしいこと言われた。