0013 品川 ゼロ (35/103)
少年が賢いからこそ、その辺の子供とは違う、対等な意見を言ったつもりでした。
少年も、どこかでそれを分かっているから何も言えないのかもしれません。
「今さらだけど SCMはお父さんが作ったの?」
僕は興味や疑問を兼ねて、話題を変えてみました。
改めて考えれば、根本的な疑問がたくさんあります。
少年は僕の疑問に、SCMを見つめながら何かを考えだしました。
そして顔を上げ、また僕に話し始めます。
「パパはSCMをネットで手に入れて 自分自身で研究してたんだ 僕はその資料を見た」
ああ。医者のお父さんが作った訳じゃないのか。
ていうか、お父さんからの受け売りがほとんどだったのか。
「けどお兄ちゃんに話した脳への作用や相反過程説の話は ほとんど僕が自分で考えたことだから」
僕の思考を否定するように、少年はそう付け加えました。
負けず嫌いというか、プライドが高いというか。
「あと これがSCMの説明書」
少年はそう言いながら、芝生の上に置いてあった本を見せてきました。
SCMの説明書?用意がいいな。