0013 品川 ゼロ (34/103)
少年の話は難しいけど夢中に聞けて、説得力も感じます。
けど少年が持つSCMという器具は、本当に針金とパソコンの中にあるような小さな基盤というか機械と、透明でゴムみたいな樹脂でできているだけです。
少年の言う、脳に対するすごい作用や技術が、こんな小さな器具に凝縮されてるなんて、信じられません。
ていうか、信じる方が難しい。
僕の言葉に、少年は今までにない暗くて重い表情を見せました。
「僕が 子供だから信じないの?」
その言葉と少年の表情は、まるでヤンキーが舐められた時に見せるような威圧感と怒りが込もっています。
「違うよ」
薄々気付いてはいたけど、この子は頭がいい分プライドが高くて、一般的には生意気な子供です。
でも自分の知識を夢中で話す、その姿はたとえ内容が難しいものでも子供らしい面を見せていました。
なるべく少年のプライドを傷つけないように、話したいんだけどなあ。
「君だってさっき言ったろ?現代の技術ではありえないって」
僕の言葉に、少年は僕をにらみました。そんなに、にらまなくたって。
けど、話で聞くだけじゃ信じられないのは当たり前です。