0013 品川 ゼロ (33/103)
少年が今した説明から理解したことを、僕は言葉にして繰り返してみます。
「要するに SCMは人間が本来持つ脳の機能を無理矢理強めたり 人間の慣れや不満まで変えちゃう器具なんだね?」
僕の言葉に、少年も初めて満足そうに答えます。
「そう 厳密には人間だけじゃなく哺乳類なら使える可能性もある」
「哺乳類?」
「犬やイルカだよ」
いや、それは知ってるけど。
SCMが歯の裏に着ける器具だとは少年との会話からなんとなく分かっていたけど、犬やイルカなんかに着けて作用するのだろうか?
「い 犬やイルカなんかも奴隷にできるの?」
「器具のサイズは変えなければできないけど 技術的には人間と同じだもん」
「へええ なんかおもしろいなあ」
勝負とか奴隷なんて話になると、非現実的でアニメや映画みたいです。
けど脳に作用する器具として、ペットなんかをしつけられると考えたら、なんだかあってもおかしくない器具に思えてきました。
でも。
「えっと でもやっぱり SCMにそれだけの機能があるなんて 信じられないよ」
僕がそう言うと、少年は「えっ」と小さくつぶやいて僕を見ました。