0013 品川 ゼロ (23/103)
「なんで そう思うの?」
「だから言ってるじゃん!SCMは中脳に作用する器具なんだよ!無理矢理外すと障害が起きるんだ!」
僕の言葉に、少年は怒り始めました。
けど突然出てきた聞き慣れない言葉に、僕は戸惑います。
「中脳?」
よく分かりません。大脳や小脳に対する中脳だということだけ、なんとなく分かりました。
「中脳の役割は分かる?」
少年はそう聞いてきましたが、僕がそんなの知る訳ありません。
「知らない」
少年は土手沿いの芝生を見るとそこまで歩きだし、座りました。
そしてサイクリングロードで、立ったままの僕を見上げます。
僕も釣られて自転車を止め、少年の隣に座ることにしました。
僕が座るのを確認すると、少年は話し始めました。
「中脳は運動系や聴覚と眼球運動も扱ってるんだ」
少年は川の向こうの工場達を眺めています。
4月下旬の今日はポカポカした天気で、気持ちのいい天気です。
「哺乳類の場合 中脳のフクソクヒガイヤから大脳皮質に投射するドーパミン神経系のことを報酬系っていうんだ」
「ふくそ?報酬系?」
晴れた空の下でまったく訳が分からない上に、知らない言葉ばかりの話が始まりました。