0013 品川 ゼロ (19/103)
「あ 明日もここにいる?何時でもいいから」
僕がそう聞くと、少年はチラリとこちらを見ました。
明日は仕事が休みです。
「分かんないけど」
僕はカバンの中から、今朝貰った菓子パンを取り出しながら言います。
「君のお父さんから貰った物 ちゃんと返すから 明日持ってくるよ」
僕がそう言うと、少年はまた何かを考えている様子でした。
そして小さな声で「分かった」と言いました。
少年がそう言ったのを確認すると、僕は手に持った菓子パンを少年に差し出します。
「はい」
少年は黙って菓子パンを受け取りました。
「おいしいよ じゃあまた明日ね」
少年は菓子パンを見てから、僕を不思議そうに見ます。
少年とは、次の日の昼にまた会おうと約束して、僕はその場をあとにしました。
次の日の昼間。
また同じ場所に少年が座っていました。少年は携帯用のゲームをやっています。
大人びた様子でしたが、普通にゲームもやるんだと、なんだか安心しました。
ちゃんと時間は決めていたはずですが、少年は僕より先にそこにいたようです。