0013 品川 ゼロ (14/103)

10Mくらい走ってから、小さく後悔しました。


あの少年は、何かしらの理由があって僕に声をかけてきたんじゃないだろうか。


家出や、何か問題を抱えているんじゃ。


何より、勇気を出して僕に挨拶をしてくれた様子が気になって仕方ありません。


キキッ


僕は自転車を止めて、少年に振り返ってみました。


少年はまだこちらを見ています。


それを確認すると、僕は自転車を反転させ、少年に向かって道を戻りました。


「あの ごめんね おはよう」


少年に近づいた僕は、そう言ってさっきしてくれた少年の挨拶に応えました。


近づいて見る少年は、大きく黒い瞳で、長いまつ毛と太いけど整った眉毛が印象的でした。


くせ毛で子犬みたいな雰囲気ですが、将来は男前になりそうです。


「お兄さん 新聞を配達する人?」


少年はどうやら、僕が朝早くに自転車をこいでる姿だけで、新聞配達のアルバイトだと思ったようです。


「違うよ 今仕事帰りなんだ」


僕がそう答えると、少年は僕の自転車を興味深く見ています。


「うん 配達し終わったのかと思った」


なんか可愛くない返しでしたが、少年は僕と自転車を見ながら続けてきます。


「何してる人?」


「じゃあ 当ててごらん」


僕はほんのイタズラ心で、クイズを出してみました。