0013 品川 ゼロ (12/103)
その後、救急隊員に救急車に同乗するように言われましたが、僕は断りました。
これ以上は関わりたくない。
僕は何かしら疑われたり、警察に連れていかれたりしないか不安になりましたが、一通り話し終わると、連絡先を聞かれただけで帰してもらえました。
救急車はまたサイレンを鳴らし、すぐに走り去りました。
久しぶりに他人と話したのと、日常ではあまりない出来事の連続で、それからの帰り道は放心状態でした。
家に帰り着いた時は、敷きっぱなしの布団に倒れこみ、動きたくなくなりました。
なんだかドッと疲れた。
僕はそのまま、すぐに寝てしまいました。
起きたのはその日の夕方。
仕事に行く時間まで余裕はありましたが、いつもより遅い時間でした。
シャワーを浴びて、今朝貰った菓子パンを食べて家を出ようとします。
家を出る直前、背の低いテーブルの上に置いておいた携帯から充電のコードを外そうとすると、あの医者のおじさんから貰った金具が目につきました。
そういえば、貰ったまま、持って帰ってきちゃった。
金具を置いたまま家を出ましたが、あの金具を後日返しに行くか、放っておくか考えました。
仕事の間も考えた結果、もし言われたら返そうと思いました。