0012 墨田 ズシオウマル (69/71)
私のSCMから、力の無い音が鳴った。
初めての反応だが、私には分かる。
私は負けたのだ。
「グルゥゥ ハッハッ」
私は目眩と吐き気、さらにユウガに対する恐怖や緊張を感じていた。
「鳴った 鳴りました!ごっほ」
アヤくんが目を輝かせえずきながら、ユウガに報告した。
奴は目を見開き、驚きの表情を見せる。
「驚いたな ズシオウマルが敗北感を感じたのか」
ユウガは目線を左上に移し、思考する素振りを見せる。
「いや それとも諦めたのか?」
ああ。そうかもしれない。
ユウガの狂気に、私もエイアも諦めたのかもしれない。
アヤくんはまだ、ナイフを全て食べていなかった。
「うっ おぼ」
ボト ビチャ
鈍く濡れた音が、床に鳴る。
安心からか、アヤくんが飲み込んだ金物を吐き出したのだ。
エイアはソファに座り、オデコに手を当てて項垂(うなだ)れていた。
フワフワで鮮やかな2色に分かれた髪は乱れている。
ユウガは携帯を開きながら、エイアに近付いた。
「ズシオウマルが僕の奴隷になった」
私はアヤくんとの勝負に負け、ユウガの奴隷になった。
認めたく無いが、それが結果だ。