0012 墨田 ズシオウマル (62/71)
ユウガは確かに勝負は早食いだと言った。
だが皿の上にはただ、ナイフとフォークが置かれているだけだ。
「何も無いじゃん」
エイアがユウガにそう言った。
「あるだろ それを食べるんだ」
「は?」
アヤくんはユウガに渡されたペンチで、ナイフを曲げ始める。
「何言ってんの?」
エイアは目を見開き、不思議そうにユウガを見ていた。
「特別に ペンチで曲げてもいいし 切ってもいい」
そう言って、ユウガはペンチをエイアに渡す。
「ナイフとフォークを食べてもらう」
銀皿に置かれたナイフもフォークも、鋭い銀色で輝いている。
ガッチン
隣では、アヤくんが曲げたフォークの先、四股に分かれた部分を一口大に切っていた。
「ナイフはステンレス製 181mmのバターナイフ」
「フォークは クロスハイカーボンステンレスの204mm ディナーフォーク 少し固い」
犬の私でも分かる。
異常だ。