0012 墨田 ズシオウマル (61/71)

私とエイアが注目する中、ユウガはまるで料理人の様に銀製の皿を紹介する。



「中身は?」



エイアの質問に、ユウガはただ微笑んで何も答えない。



勝負するのはアヤくんと私。



ユウガの様子は不気味だが、勝負は早食いか。



犬の私が有利だ。



ユウガの言っていたフェアと納得とは、こういう意味だったのか。



服を着たアヤくんが机の前に座る。



私も彼女の隣に座る中、私はわずかな希望を感じていた。



勝てるかもしれない。



勝ったらアヤくんが私の奴隷。ユウガの人質では無くなる。



例え、中身が虫だろうがゴミだろうが、排泄物でも食べてやる。



食べれば、食べるだけで、全てがいい方向に行くのだ。



「アヤカ」



ユウガがアヤくんを呼ぶと、アヤくんは私を見て口を開いた。



「勝負は早食い」



『 カチッ 』



私とアヤくんの勝負が開始された。



「始め!」



ユウガの合図と同時に、エイアが銀製のフタを開けてくれた。



中を見て、エイアも私も凍りつく。




銀のフタを開けたそこには、何も無かった。