0012 墨田 ズシオウマル (59/71)
彼女はそれを望んでいないが。
「あたしが素直に その話を飲むと思う?」
エイアはまるで少女の様に、首を傾げてユウガを見た。
ユウガも同じ様に首を傾げて、アヤくんを見ながらエイアに応える。
「飲まないと どうなると思う?」
エイアは少女の表情から、冷たい女の顔になる。
気まずい沈黙が場を包んだ。
「グウ」
エイア。ユウガの言う通りでいい。
私の一鳴きに、エイアが私の頭を撫でる。
「ズシ」
エイアがSCMのリスクを背負わないで済むのなら、私はユウガの奴隷になる。
ユウガがこれから先、負けなければエイアに危害は及ばない。
私がユウガの奴隷として献身すれば、エイアに危害が及ぶ確率は減るはずだ。
「ズシイ」
エイアは私の頭に顔を当てた。
「クゥン」
エイア、いい匂いだ。
「SCMはすごいな 本当に犬と人間の勝負を成立させる事ができる訳だ」
「犬の意思まで汲み取れるんだ」
私達の包容を尻目に、ユウガは立ち上がり、部屋にある机の前に立った。