0012 墨田 ズシオウマル (55/71)
エイアは相変わらず黙っていたが、指で鼻を擦っている。
わずかに動揺しているのか。
頼むからこの場で鼻くそは食べないでくれ。
「だから アヤくんを人質にしたの?」
「アヤカじゃ弱い」
ユウガは膝の上に置いた手で、エイアを指差す。
「最悪 君自身を奴隷にする気でいた」
エイアを奴隷に。
そんな事、私が絶対にさせないがな。
「だがそれは最悪だ 保険の意味が無くなる」
先ほどから保険保険と、一体何の事だ?
だが、私は喋れない上に、ユウガは聞かれてもいない話を続ける。
「本当の望みはエイアをフリーのまま ズシオウマルを奴隷にする事だ」
「は?」
エイアの疑問の声が上がる。
どういう事だ?
「より確かな人質が欲しかった」
ユウガはそう言って、私を見た。
「エイアは ズシオウマルの話 してたよな いつも」
読めたぞ。
「ズシオウマルが僕の奴隷になれば エイアはSCMが無くても僕の言いなりになると考えた」