0012 墨田 ズシオウマル (43/71)
「単刀直入に言うとさ エイア」
ユウガは馬の被り物を脱ぎ、それを片手でクルクルと振り回しながら言う。
「勝負をして負けてくれ」
「はあ?冗談は馬面だけにしてよ」
エイア違う。様子がおかしい。
「僕は本気だ」
ユウガは馬の被り物を、自身の顔の前にかざした。
「私は頭がおかしい人です」
「バカらし アヤくんは?」
「風呂場にいる」
ユウガが見た方向に、ぼやけたガラス張りの壁があった。
その先に風呂場があるようだ。
だが、明かりが点いていない。
エイアはそちらを一瞬見てから、またユウガを見る。
「あそ よろしく言っといて」
そう言って、エイアは後ろのドアを開けて帰ろうとした。
しかし、エイアは立ち止まる。
見上げると、扉の内側のノブが無かった。
明らかにドアノブが取り外された形跡がある。
私とエイアがユウガを見ると、彼はベッドに座り、馬の被り物を振って遊んでいた。
「わざわざ調べたんだ 内側のノブがぶっ壊せるラブホをさあ」