0012 墨田 ズシオウマル (40/71)
「分かってるよ」
エイアはまるで母親の様な優しい顔で言う。
「頭のおかしい奴の罠かもしんないし」
「ユウガの自作自演かもしれない」
私の中の熱が少し冷めた気がした。
そう。ユウガの自作自演の可能性もある。
エイアが気付いていない訳は無かったか。
もちろん、本当にユウガが負けた可能性もある。
だがどの道、行く先には危険しかない。
「けどさあ」
「あいつ 友達少なそうじゃん」
エイアはそこまでしか言わなかった。
例え、主人が悪でも私はそれに従事する。
例え、エイアが愛した男が、どんなに醜い心の持ち主でも、私はエイアに従事する。
理屈や犬の性(さが)ではない。
私はエイアが大好きなのだ。
最後までエイアは嫌がったが、私は断固としてエイアに着いて行った。