0012 墨田 ズシオウマル (30/71)
「そうやって無駄に敵を作る事は無くない?」
エイアは真顔でそう言った。
不意に犬の私ですら、彼女の柔らかそうな頬と、形のいい唇に魅力を感じる。
「敵?SCMにおいて敵以外何がある?」
ユウガの答えに、エイアの目元がピクリと動く。
気に入らない事があった時の癖だ。
まあ、確かにユウガの発言は、私やエイアも敵という風に当てはまらなくもない。
仲間意識を無視したユウガの発言が、エイアは気に入らなかったのだろう。
車内に沈黙が続き、空気が悪くなった。
「まあ セイヤは信じなかったし すぐに電話は切ったけど その後またセイヤから連絡があった」
切り替えた調子で、ユウガは続ける。
「リュウオウが『頭のおかしい人』の挑戦を受けるかどうか 僕に聞きたがっていたらしい」
「で?」
エイアは相変わらず不機嫌なまま、単調に返した。
「セイヤには参加しないと言った」
ユウガは間髪入れずに続ける。
「けど俺とアヤカはこの勝負を受ける」
「は?」