0012 墨田 ズシオウマル (29/71)
ユウガはエイアから返された手紙をかざす。
「この手紙を送ったのはお前か?って」
どうやら、そのセイヤという人物は、この手紙はユウガが送ったのではないかと思ったらしい。
「あ リュウオウにも同じ手紙が届いたんだ」
「厳密にはセイヤの下に届いたらしいけどね」
ユウガは手紙を指先でつまみ、パタパタと振りながら続ける。
甘い匂いが車中に広がった。
「送り主無しで直接家のポストに投函された手紙だ アヤカに届いたのと同じだよ」
リュウオウ、セイヤ。関係がよく分からないな。
名前が多いと混乱する。
だが、その疑惑のリュウオウの下にも、この自称『頭のおかしい人』からの手紙が届いていた事は分かった。
「で あんた何て答えたの?」
「僕が送ったと言った」
「はあ?違うのに何で?」
「違うと言って何になる?」
ユウガは相変わらず手紙をかざしながら、エイアを見る。
「口頭で疑いを晴らすのは不可能だ 逆にどう答えてもデメリットが無いなら 混乱させる為に嘘付いた方がまだ得だろ」