0012 墨田 ズシオウマル (28/71)
手紙はそこで終わっていた。
あとは連絡先のメールアドレスが載っているだけのようだ。
「何これ?誰から?」
「分からないが 匂いを嗅いでみてくれ」
エイアはユウガに言われるまま、紙に鼻を近付けた。
「女もんの香水だ」
そう。紙からは甘い香水の匂いがする。
「文字は印刷 差出人は空欄」
ユウガは独り言の様に呟き、エイアを見た。
「けど香水はわざと付けてるよね 匂いが強いし」
確かに、香水は意図的に付けられたと思うほど、匂いが強い。
だがエイアの答えに、ユウガは首を振る。
「裏をかいても手掛かりが少ない まあ性別はどうでもいい」
「もしかして例のリュウオウって人からの手紙?」
エイアは突然、リュウオウという人物の名前を出した。
以前にも少し、話題に出ていたな。
「恐らく違う」
ユウガはまた首を振った。
「なんで分かるの?」
「ちょうど今朝 セイヤから電話がきた」
「なんて?」