0012 墨田 ズシオウマル (23/71)
そして他の女の匂いもする。
エイアが私を後部座席に誘っていると、ユウガが言う。
「君の犬 おしっことかしない?」
むしろ、してやろうか。
「ズシは大丈夫だけど あたしがおしっこしたい」
エイアの言葉と同時に、私はユウガの車に乗り込んだ。
ユウガは小さく笑って、車のキーを回す。
やはり、エイアが大好きだ。
エイアがいるなら、どこまででも行こう。
私は改めてそう思った。
「ていうか さっきの2人もSCM持ってんだよね?」
エイアが言っているさっきの2人とは、中央とシヲリの事だろう。
「ああ」
ユウガはハンドルを握りながら相づちを打つ。
「なんか 普通の人たちなんだね」
エイアは私の体に触れながらそう言った。
「女の子 可愛かったなあ」
ユウガが言ったのはシヲリの事だろう。軽薄な男め。
「あんた ああいうのが好みなの?」
エイアの手に力が隠るのを感じる。
「いや あれは普通に可愛いよ」
そんなやりとりをしながら車を走らせていると、道の先に明かりが見えた。