0012 墨田 ズシオウマル (17/71)

「ふーん そっか」


ゼンイチはそう言って、間もなく電話を切り、何やら本を読み始めた。


途中チラホラと私を見たが、私は布団の上であくびをする。


今日は疲れた。


眠い。


その夜から、ゼンイチとの生活が始まった。


数日目で、いくつか分かった事がある。


やはりこの家は、ゼンイチの家では無かった。


目黒という男の家のようだ。


しかし、一向に目黒という男は家に帰って来ない。


ゼンイチは外に出ようとするが、私はその度に唸った。


基本的に24時間、ゼンイチには私と共に行動してもらう。


間違えても、この男と一緒にいたいからではない。


ゼンイチが1人で行動しても、ロクなことをしないだろう。


私は世の中の為、しばらくゼンイチを見張る事にした。


ゼンイチはよく電話をしている。


デリヘルがどうとかと言ってはいたが、私にはよく分からない。


ゼンイチは主に目黒という男と、ルシエという女に連絡を取っていた。