0012 墨田 ズシオウマル (15/71)

数々の攻防を繰り返す中、唐揚げの女は仲間に救われた。


私もタダでは済まなかったが、奴の喉元を血だらけにし、私は勝ったのだ。



「もう 勘弁してくれ」



『 カチッ カチカチ 』



どうだ。正義は必ず勝つのだ。


その後、メガネの男に追われて私は逃げた。


あの男と戦う理由は無い。更に今戦っても勝ち目が無い。


私はゼンイチと呼ばれる男と共に逃げた。


幸運な事に、犬である私の意思が、人間であるゼンイチに伝わりやすくなった様だ。


何より、さっきまで敵意むき出しで戦っていたゼンイチが、途端に私の吠えに怯え始めた。


やはり墨田教授は偉大だった。


SCMによる服従機能も、動物と人間の意志疎通も、成功だったのだ。


とは言え、墨田教授が残したSCMは本来、人間が動物を従わせる為に作られた器具だった。


だが現実の今、犬である私が人間を従わせている。


恐らく、この男、ゼンイチが着けているSCMは世田谷が生産した物に違い無い。


墨田教授が作ったSCMを、どうやら改造した様だ。