0012 墨田 ズシオウマル (8/71)
SCMの研究の初めは、人と動物のコミュニケーションや絆を、より強める物を作りたかったと墨田教授は語った。
私は1つの決意を固め、墨田教授が持つSCMを口にくわえる。
そして、そのまま墨田教授に向けた。
「ズシ?まさかお前」
私の決意は固い。
教授は戸惑いながら、私の頭を撫でた。
「SCMを着けろと?」
そう。
私は自ら、SCMを着ける事を望んだ。
「ふふ ははは」
私の意思を感じた教授は、泣きながら笑った。
「こんな器具 作らなくても 人と動物は分かり合えたのになあ」
墨田教授はそう言うと、私の口に合わせて調節したSCMを、私の牙に取り付けてくれた。
墨田教授にとっては、酔った勢いの戯れだったかもしれない。
だが私がSCMを着けたのには、大決意があった。
SCMは互いの位置を知らせる機能が着いている。
本来は飼い主がペットを探す為の機能だ。
試作品にも同様の機能が含まれる。
もし今後、世田谷が悪用の為に新しくSCMを作るのならば。
SCMを着けていれば、いつか世田谷に辿り着けるはずだ。
私にSCMを着けた次の日。
墨田教授は自殺した。