0011 中央 アタル (135/142)
足立シヲリはゼンイチ側のドアを開け、奴に話しかけ始めた。
「今から 口のテープ外すけど おかしな真似したらあんたの指 捨てるから」
足立シヲリはゼンイチの指が入った氷袋を持っている。
実際氷で冷やしたごときでまたくっつくかは疑問だが、自分の指を他人に持っていられては気分のいいもんでは無いだろう。
ていうか俺なら嫌だ。
「これからする勝負は 」
足立シヲリがゼンイチに勝負の話をする途中、ゼンイチが突然コンビニの方角を見た。
「なに?」
何だ?
そう思った直後に、俺のSCMが『 キュイーン 』と振動する。
俺も思わず身を乗り出してコンビニの方を見た。
若い男がタクシーから降りて、こちらに向かって来ている。
直後にSCMがまた『 キュイーン 』と鳴る。
ああ、あいつか。すっかり忘れていた。
「中野ちゃん」
足立シヲリが思わず口ずさんだ名前の通り、こちらに近付いて来たのは中野タイジュだった。
ちなみに今日は女装していない。