0011 中央 アタル (133/142)

SCMをハメた直後、口の中で聞き慣れない音が聞こえた。


「ゔ」


同時に、軽い頭痛と腹から突き上げる気持ち悪さを感じる。


熱いゲロが喉の手前までくるが、無理矢理飲み込んだ。


主人が切り替わる時は気分が悪くなるとは知っていたが、初めての切り替えでここまでとはな。


新宿セイヤや足立シヲリも、2回3回と主人が替わっているが、よく耐えたもんだ。


嘔吐感が少し落ち着くと、俺は後ろにいるゼンイチの存在が気になって仕方無くなる。


頭がクラクラするし、目ん玉の奥が落ち着かない。


ドクンドクンと心臓が鳴る緊張感はもちろん、ハアハアと口で息をする焦りもある。


「切り替わった」


「ん゙ん゙ん゙!ん゙ん゙ん゙!」


口を封じたゼンイチが、俺に向かって何か言っている。


俺は顔だけを向けてゼンイチを見る。


逃がせとか、助けろとかって言っているんだろうな。


俺は自分の腕に巻かれたテープをネジり、引きちぎろうとしていた。


今、ゼンイチが何か命令してきたら俺は全力でそれに応えようとするんだ。