0011 中央 アタル (131/142)
氷?
一瞬何の為か分からなかったが、次にゼンイチの指を思い出す。
ああ、さっきゼンイチの指も拾ってやってたな。
「おいゼンイチ」
ゼンイチはフゴフゴしながら、俺を見る。
多分文句を言ったり、怒鳴ったりしたいんだろう。
「あの子は女の子なのに お前の指を拾って 氷で冷やしてくれるんだと」
ゼンイチは何か言うのを止め、ただ鼻で息をしてこちらを見ていた。
「今後 何があっても変に恨んだりこだわるなよ あの子はいい子だし あの子に何かしたら 」
ガチャ
そこで足立シヲリが戻ってきた。
「あの 中央さん これお願いします」
申し訳無さそうに、ハンカチに包んだゼンイチの指と、氷が入った袋を渡す足立シヲリ。
俺は黙ってそれを受け取った。
ゼンイチはまだ文句を言いたそうな目をしているが、さっきよりは静かになったな。
「えっと あのどこ行けばいいですか?」
「ここでいい 少し奥の方に停めてくれ」
俺はゼンイチの指を氷袋の中に入れながら、そう答えた。
その駐車場は広く、コンビニの横に広めのスペースがある。