0011 中央 アタル (125/142)
クラブから歩いて数分、道中は問題無くパーキングに着いた。
足立シヲリに駐車料金を支払わせ、俺とゼンイチは車の横に立つ。
「乗れ」
俺がそう言っても、ゼンイチは車に乗らなかった。わずかに下を向き、不機嫌そうなツラで車を睨んでいる。
俺は後部座席のドアを開け、もう一度ゼンイチに言う。
「いいから乗れ!」
さっきよりも強い口調で繰り返すと、ゼンイチはくやしそうに身を屈め、従った。
俺は一瞬だけ安心して、ゼンイチに向けていた銃を下ろす。
その瞬間。
ガッ
「くお!」
ゼンイチは屈むフリをして、俺の腕を蹴り上げやがった。
ガチャン
ゼンイチに手を蹴られ、俺は持っていた銃を落としてしまう。
「っの野郎!」
落とした銃を急いで拾い上げようとしたが、半歩遅く、ゼンイチに先に拾われてしまった。
俺も足立シヲリも凍り付く。
「改造銃か 粗末なもんだな」
ゼンイチはニヤニヤしながら一歩下がり、銃を見定める。