0011 中央 アタル (123/142)
「ゔお!」
目を開けたと同時に、1人の若者の後ろ姿と、足立シヲリの手を掴んでいたアウトローがはっ倒れる様が映った。
爆音に包まれ、多少離れていても若者の「ズババババーン!」という大声と、アウトローの殴られた声はハッキリ聞こえたんだ。
あの若者がアウトローをぶん殴り、足立シヲリを助けた事は一目瞭然だった。
一瞬は中野タイジュかと思ったが、雰囲気も体格も全然違う。
顔こそ見えないが、その若者は体が大きく、髪の毛も明るく逆立ち、タンクトップから見える肌が黒い。
俺はもちろん、ゼンイチですら呆気に取られた様子だった。
「シンノスケ あの野郎」
シンノスケ?
確かにゼンイチは若者を見てそう言った。
あの若者のことか?
ゼンイチはあのライオン頭の顔を見たようだ。
「知り合いか?」
俺の問いに、ゼンイチは顔を背けて答える。
「お前には 教えてやんねえ」
クソハゲが。
後で負かしたら吐かせてやるからな。
シンノスケと呼ばれた若者は、足立シヲリに何か言っているみたいだが、彼らの前方から騒ぎを察知したセキュリティが近づいていた。