0011 中央 アタル (122/142)

ゼンイチ、お前はいちいち勘に触る奴だな。


「黙れハゲゴリラ」


ゴヅン


「だっ!クソ」


ゼンイチの挑発に、俺は頭の横で頭突きを食らわせた。


腕が痛くなるほどゼンイチの肩に力を込め、汗が止まらない。


そんなやりとりの間にも、俺とゼンイチは出口に少しつづ近付いていた。


じょじょに足立シヲリとの距離が離れている。


絡まれている足立シヲリを放って、俺はフロアの人混みを前進するしかないんだ。


くそ!くそ!


俺は歯茎から血が出るほど歯を噛み、歯の裏を舌で強く押していた。



何が奴隷だ!何がSCMだ!



SCMは外しているのに!リュウオウが頭の中にいるんだ!


彼女を助けられるのに!助けたいのに!助けられない!何なんだよこの状況は!



俺がそう心の中で叫ぶと同時に、汗が目に入り、痛みを感じる。



目を瞑った瞬間。



「ズババババーン!!」



突然、雷鳴の様な奇声が聞こえた。