0011 中央 アタル (119/142)
直後に俺達はBARフロアも抜けて、足早に階段を降りる。
「お前ら何なんだよ 極道か?」
ゼンイチが俺にそう聞いてきた。極道なんて、おっかない言い方するなあ。
そう言えば自己紹介はしていなかったし、銃も持っているから無理も無いか。
「教える気は無い」
俺はそう返しながら、一瞬時計を見る。ゼンイチがいるVIP部屋に乗り込んでからここまで、約7分。
時間を気にする必要は無いが、自分の仕事の速さを誉めてやりたくなるよ。
しかし、階段を降り切った所で俺達は立ち止まった。
順調にここまで来たが、次は問題のダンスフロア。
運が悪いことに、ダンスフロアを抜けないと、このクラブの出口にたどり着くことができない。
しかもさっきよりも人が多くなってる上に、爆音の音楽が流れてワーキャー大盛り上がりだ。
初めてクラブに来た俺ですら、今が今夜の絶頂なのだと分かる。
この神輿担いだお祭りみたいな10数Mを、俺は獣を制しながら進まなきゃならん。
人間の頭で出来た海みたいな景色を見るだけで、うんざりする。
勘弁してくれよ、本当。