0011 中央 アタル (115/142)
ルシエはソファーの上で、体育座りをしながら口を塞いで目を見開いている。
「ルシエ あいつから銃を奪え」
「え?」
ゼンイチは俺を睨みつけたまま、ルシエに命令しだした。
「あいつは女は撃たねえ」
確かに女を撃つ気は無いが、何の根拠も無い嘘だ。
ていうか、このクソガキ。銃を持った俺に、保身で女を差し向ける気か。
「え あ」
ルシエはただ口を開け、俺とゼンイチを交互に見る。
「いいや 俺は撃つよ」
多少場馴れしているのか、俺の足元にいる手下ゴリラは、倒れたまま頭に両手を乗っけて、素直に降伏してくれていた。
俺は精一杯冷たい目をしてルシエを見る。
「抵抗したら女だろうが撃つよ」
もちろんハッタリだ。
ルシエ、頼むから怯えろ。
自分の生死に関わるほどに、俺と銃に恐怖しろ。
ルシエは未だにゼンイチの奴隷だが、SCMをもってしても、生死に関わる命令は受けない。
俺はルシエが第2段階の奴隷では無い事を願った。
今ならまだ奴隷自身の発想で、自分が死ぬような命令は拒否できるはずだ。
ゼンイチは獣みたいな表情を向けて、ルシエに怒鳴る。
「行けよホラア!」