0011 中央 アタル (113/142)
ちぃ。仕方ない。
俺は心の中で舌打ちをすると、トリガーに添えた指に力を込める。
一瞬引っ掛かったようにカチッと止まるが、さらに思い切り力を込めた。
バスン!
「ぐぉ!」
弾いた銃弾は、手下ゴリラの腿(もも)付近に当たる。
ガダン ガシャン
手下ゴリラは勢いを殺され、卓の上にぶっ倒れた。
卓は重く、固定されているが卓上のビンは床に落ちて割れる。
銃声は大分抑えられたが、奴が倒れた音と割れたビンの音は、さすがに外に聞こえたか。
「ぐぞお ぐぞ!本物だあ!」
手下ゴリラは自分の足を手で押さえ込むが、手のひらの間からはダクダクと血が流れている。
やっちまった感はあるが、イライラさせられた分正直スッキリした。
お陰でさっきまでよりも頭がクリアで冷静になれた気がする。
そう、この銃は本物っちゃ本物だ。
空き缶を銃口に被せ、固定するとわずかだが消音効果がある。
ただし1発限り。
2発目以降は空き缶に穴が空き、消音効果はまったく望めない。
そしてできるものなら1発も撃ちたくなかった。
奴らを傷付けたくないとか、そんなキレイごとじゃない。
この銃を使うこと自体、俺がおっかないんだ。