0011 中央 アタル (110/142)

「えっと あの 多分 殴っても意味が無いんだと思います」


このルシエとかいう女、ゼンイチに対して完全に萎縮(いしゅく)はしているが、厄介だな。そこそこ頭が回りやがる。


「そうか じゃあなぜだ?なぜ意味がねえ?」


ゼンイチは疑問をつぶやき続ける。


俺とルシエ2人に話しかけているような喋り方だった。


俺はスーツ越しの銃を突き上げ、ゼンイチに向けたまま黙っている。


かなり集中してゼンイチ達の様子を見ているが、同時に心臓の鼓動もマックスだ。


「えっと あたしには よく分かりません」


ゼンイチの疑問にルシエがそう答えると。


ゴゥン


ゼンイチはルシエの頭に、拳でゲンコツしやがった。


「マジ使えねえな このクソビッチ」


「す すみません」


音楽がかかっているのも手伝い、ほとんど聞き取れない小声だったがルシエは確かにそう言った。


あんのクソゴリラ。マジ気に入らねえ。