0011 中央 アタル (108/142)
足立シヲリの理解を確認すると、ゼンイチの部屋のカーテンに手を添える。
ここから見えるフロアの1階の奴らは、みんな酒に酔い、音楽に乗って踊ったり楽しそうに雑談している。
遊んでいるお前らの頭上で、今俺は死ぬか生きるかの覚悟をしてるっていうのにな。
腹をえぐるような緊張と共に、どうでもいい周りに意識が行ってしまう。
「ふぅ」
俺は大きく深呼吸をすると、静かにカーテンをめくり、そっと部屋の中に入った。
部屋に入った時、奴らは談笑をしていた様子で、顔には笑みがあった。
ゼンイチ、ルシエを挟み、手下のゴリラが2人。間違いない。
俺の存在に気付くと、ゼンイチ以外は静かな無表情で俺を傍観し、真っ先にゼンイチが立ち上がった。
「テメー!このクソメガネ!」
いきり立つゼンイチは、今にも飛びかかって来そうだ。
怖くはない。怖くはないが。
俺の体がしゃっくりみたいに揺れ動くほど、心臓がドキドキするんだ。
「見つけたぞハゲゴリラ」
「あ゙あ゙!テメーゴラ!」
ガタン
俺の挑発に、ゼンイチは机を蹴り、周りの2人の男も立ち上がった。