0011 中央 アタル (106/142)
俺は納得してもらう為に、バッグの中を足立シヲリに見せた。
「はっ?え?これ本物っすか!?」
バッグの中を見た足立シヲリは、まずそう聞いてきた。
「ああ」
俺が頷くと、足立シヲリはバッグの中と俺を交互に見る。明らかに動揺してくれた。
「どこでこんな物 !」
気持ち小声な足立シヲリを尻目に、俺はバッグをそっと閉める。
「今からゼンイチを脅して奴を拉致る」
俺は足立シヲリの疑問に答えないまま、渇いた喉に酒を流し込んだ。
「車に連れ込み 奴を縛り上げた上 さらに俺を縛って君が勝負をするんだ」
「え?」
俺はSCMを着けた瞬間、ゼンイチの奴隷になってしまう。
しかし、一度俺が奴の奴隷にならなければ、足立シヲリはゼンイチと勝負ができない。
奴隷になった俺が、ゼンイチの命令で足立シヲリを邪魔しない為に、勝負の際には俺を縛り、その場での主導権の全てを足立シヲリに託す。
困惑気味な足立シヲリだが、俺の意思は察してくれだようだ。
かなり安直な案だが、もう他に思い付かない。足立シヲリも同様だろう。