0011 中央 アタル (103/142)
豪華な紅のカーテンを両側に、テーブルを囲うソファーが見える。
そんな空間がいくつか並び、洞穴(ほらあな)のようになっていた。
さらに、そこからそのまま下のフロアが見渡せるようになっている。
俺は足立シヲリを後ろに歩かせ、歩きながら1つ1つの空間を覗く。
ほとんど、外国人だ。
日本人がいるかと思えば、大抵この場でひっかけたような女ばかり。
時々目が合うが、俺は立ち止まらず歩き続けた。
1つ目2つ目と見ていくと、だんだんと胸の鼓動が高鳴る。
2つ目はカーテンが降りていた。
ゆっくりとカーテンを覗き込むと、中では猛烈にキスをする男女が見える。
もちろんゼンイチではない。
俺はすぐにまた歩き始めた。
この場から分かるVIPフロアの数は7つ。
3つ目の前を通る時には、歩くスピードもかなりゆっくりになっていた。
そして4つ目に差し掛かる際には、映画で銃を構える刑事のように、壁に背を合わせて慎重に覗き込むようになる。
たまたま感覚が研ぎ澄まされていたのか、勘が良かったのか、偶然なのか。
最も慎重に覗いた4つ目のカーテンの先に
いた。 ゼンイチがいた。