0011 中央 アタル (101/142)
何か話していたが、2~3分で足立シヲリが戻って来た。
手にはなぜかビンのカクテルが2本持たされている。
彼女は1本を俺に渡してきた。
「行けます」
どうやら、VIPのフロアに入れる許可を得たようだ。
「すごいな こんなに簡単なものなのか?」
VIPというくらいだから、入るのには相当なコネクションやステイタスが無いと行けないイメージがある。
足立シヲリはビンをあおりながら答える。
「いや まあ このクラブのスタッフと仲いいし 」
仲がいいし?
足立シヲリの言葉は何かに続く様子を残した。
一瞬の間の後、足立シヲリは続ける。
「前にここのオーナーに告られて 今でも結構言い寄ってくるから使えるんすよ」
ああ、さっき足立シヲリにハグした男がそれか。
この酒とVIPはプレゼントという訳だな。
俺も一口、渡されたカクテルを飲んだ。
あまり気持ちのいい関係ではなさそうだが、足立シヲリの人間関係が役に立った。
携帯を見てみると、電波はバリ2。少し電波状況は悪いが、メールは受信できそうだな。
中野タイジュからの連絡には問題無さそうだ。
同時に足立シヲリも携帯を見て、ゼンイチの反応に動きがないことを報告してきた。