0011 中央 アタル (99/142)

ジェスチャーでロッカーに荷物を入れることを勧められるが、遊びに来た訳ではない。


どんな状況になるかは分からないので、俺はジャケットを脱いで、荷物と共に手に持っておくことにした。


足立シヲリも同様に、上着だけを脱ぐ。


ダウンを脱いだ足立シヲリの格好は、少し焼けた肩と胸元の素肌が見えるタンクトップに近い薄着だった。


10歳以上離れた小娘だが、セクシーだと感じてしまった。


「 のお!」


爆音の中、足立シヲリが話しかけてくるが全然聞こえない。


「なんだ!」


「あのお!」


なんだよ、面倒臭いな。


俺が耳を足立シヲリに向けて、頭を寄せると、足立シヲリは俺を引っ張り移動し始めた。


なんだなんだ。


踊り場を挟んで階段を登ると、さっきまでかかっていた音楽より落ち着いた曲が流れるフロアにたどり着く。


カウンターもあり、クラブと言うよりバーという感じだ。


なるほど、ここなら落ち着いて会話ができる。


「あたし この箱に知り合いがいるんで VIPとか見てみます」


VIP?


足立シヲリが指差す方を見ると、吹き抜けのフロアの上に、フロア全体を見回せるスペースがある。